4月10日(火)、平成30年度第37回入学式を挙行いたしました。
国文学科95名、総合教養学科92名、幼児・児童教育学科57名の本科生合計244名と専攻科福祉専攻3名の総数247名が入学しました。
式典の中で、学長は次のように式辞を述べました。
__.___.__._.__._._.___.____.__.___.__.____.__.___.___.__.___.___.___.____.__.__.___.__.__.__.__.___.___.__._.__._._.___.____.__.___.__.____.__.___.___.___.___.
平成30年度入学式式辞(要約)
はじめに
学生諸君、ご家族の皆様、入学誠におめでとうございます。國學院大學の学統を受け継ぐ、國學院大學北海道短期大学部の門をくぐっていただき、教職員一同、心から歓迎いたします。
「國學院大學」は、日本最初の私学
二つのことを申し上げます。
第一は、「建学の精神」についてです。第二は、学生生活の意義についてです。
先ず、本学の母体である國學院大學についてお話しいたします。
國學院大學は、日本で最初に創立した私立大学八校の中の一校です。
明治維新の際、我が国は、世界の先進国に追いつこうと欧米の思想・文化・社会制度の導入を急ぎました。
鹿鳴館時代に代表されるように、西洋文明を無批判に受け入れようとする時代背景にあって、日本古来からの良き思想・文物を顧みないという風潮が生まれてきました。
こうした中で、我が国の発展を期するためには、単に欧米の模倣ではなく、我が国固有の歴史、民族性に基づくものでなければならないという機運が興り、國學院大學の前身である「皇典講究所」が創立されました。明治15年のことです。
建学の精神
開校式に臨み、初代の総裁、有栖川宮幟(たか)仁(ひと)親王は皇典講究所の設置の目的を述べられました。
「総じて、学問の道は、根本をたてることが最も重要である。従って、第一に日本の国柄を明らかにすることによって我国の基礎を固めること、第二に道徳的素質を養うことによって人生の本分を尽くすことは、いつの世でも変わらない法則である」
「国柄を明らかにすること」と「道徳的素質を養うこと」、日本人としての「智」と「徳」、この二つが、國學院大學を設置した基本であり、「建学の精神」と呼ばれるものです。
「日本とは何か」「日本の文化とは何か」、つまり国柄を学び、「いかに振る舞うべきか」つまり道徳を修得することは、諸君が世界に羽ばたき、長い人生を価値あるものとして生き抜く基本だと考えます。
「智」を修めるための心構え
先ず、「智」を修めるための「学ぶ」ということについてです。
『古事記伝』を著わした「国学」の大成者である本居宣長は、国学の入門書である『うひ山ぶみ』に書いています。
「勉強というものは、才能の有無でも、暇のあるなしでもない。いかに学問と向き合って努力するか、その姿勢によるのだ」
先人は、何百年も前から、私たちに「心構えが大切なのだ」と教えてきたのです。
諸君は、高等教育機関である本学に学ぶことを決意しました。知識を得、実学を修めることは、諸君の一生の財産となるでしょう。そのためには、辛抱して励むことが大切です。
「徳」と「礼」
次に、建学の精神に示される二番目、「徳」ということについてです。
古事記・日本書記によると、アマテラスは、孫であるニニギノミコトに「三種の神器と稲穂」を渡して地上を統治するように告げます。この時に授けられた三種の神器が、ご存知の「鏡・玉・剣」です。
八咫鏡(やたのかがみ)は「公明正大な誠」を、八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)は「慈悲」を、草薙の剣は「正義、勇気、知恵」をあらわすと解釈されています。
太古の時代から日本人は、日本人の尊い精神を明らかにしてきました。道徳の基本となるものでしょう。
ソクラテスは、「人生で最も大切な『魂』を高めるためには『徳』を身につける必要があり、そのためには知識と知恵を持つこと、「徳は知なり」と要約しました。
孔子は「人間の内面の心の在り方『仁』は、礼儀や社会規範として現れてくる」と、その大切さを説きました。
考古学・民俗学の最高権威者の一人であった國學院大學名誉教授・故樋口清之博士は「深い知恵が道徳であり、道徳が形として現れてくるものが礼儀作法である」と示しました。
古今東西、徳は普遍的な人間社会の原則です。しかし、日本ほど、このことを大切にし、現代まで引き継いできている民族はないでしょう。
学生生活を価値高く送るために
二年間の学生生活についてお話いたします。
高等教育機関は自己決定・自己責任が基本です。常に真剣勝負です。諸君が掲げた目標を達するためには、怠けることは脱落することを意味しています。
そのために、諸君には、第一に「誇りを持って学ぶ」ということ、第二に「今、この時を大切に生きる」ということ、第三に「人とのめぐり逢いを大切にする」ということ、第四に「学校を使いこなす」ということを大切にしてほしいと思います。
國學院大學三年次に編入を目指す諸君は、常に目標を確認して励んでください。先輩たちは寝食を忘れるほどに勉強して、毎年高い編入率を達成してきたのです。
就職をめざす諸君は、自らの人生を設計しシナリオを描く基礎をシッカリと身につけ、怠りなく社会で活躍する準備をして欲しいのです。
人間には、誰にも簡単にできることに喜びを感じない、苦しいことや難しいことに面白さや尊さ、喜びを感ずる素晴らしい能力があります。
自らの能力を信じて、好きなこと、夢中になれることを見つけて、そのことを天職として生きていけるとすると、そんなに素晴らしい人生はありません。
揃ってキャンパスライフを楽しむ
勉学のキャンパスは、この学校のエリアを越えて大きく広がっています。これからもご家族そろって足を運んでいただいて、滝川市・中空知に広がるキャンパスライフを共に学び、楽しんでいただければ幸いです。
平成30年4月10日
國學院大學北海道短期大学部
学 長 田 村 弘

__.___.__._.__._._.___.____.__.___.__.____.__.___.___.__.___.___.___.____.__.__.___.__.__.__.__.___.___.__._.__._._.___.____.__.___.__.____.__.___.___.___.___.
新入生代表誓詞は、中島 未貴さん(幼児・児童教育学科)が述べました。
式典終了後には、本学幼児・児童教育学科田代 雄一教授による記念講演会「日本の教育史〜学校教育制度の変遷〜」が行われました。